読書

塩野さんの処女作「ルネサンスの女たち」を読み始めました。第一部「イザベッラ・デステ」終了。やっぱり処女作は「海の都の物語」、「ローマ人の物語」と違って物足りない点が多いですね。塩野さんの歴史に対する姿勢で大きな要素をしめる、「なぜ、どうしてこの人はこのような行動をしたのか?」と問う姿勢及び、それに対する答えの記述がずいぶんと不足しているからだと思います。こういう感じの歴史叙述が上手くなってきたのは、「海の都の物語」辺りくらいからなのかな?ただ、「若々しい大胆な魂と、冷徹な現実主義の上にたった合理精神こそ、真の政治をする者の本質でなくてはならない」という記述があり、「処女作の中には、これからの作品で大きく花開く要素がやっぱりあるんだなぁ。」と感心して読んでいました。