読書

「わが友マキアヴェッリ」、第2部「マキアヴェッリは、なにをしたか」、第9章「チェーザレ・ボルジア」まで読了。
さすが塩野さん、チェーザレを褒めちぎってますね^^;
前に「わが友マキアヴェッリ」を読んだときに、チェーザレの章は褒めちぎっている。と言う印象をもって、覚えていたのですけど、今日改めて読み直してみると、やっぱり褒めちぎってました。
「わが友マキアヴェッリ」を書く15年前に書いた「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」とダブる部分も多いのですけど(というか、わが友マキアヴェッリの「チェーザレ」の章は、「優雅なる冷酷」をベースに書いていらっしゃいます)、チェーザレに対する基本路線は変わっていないようです。
これは、3/23の書き下ろし「ルネサンスとは何であったのか」が楽しみになってきました^^;



 ヴァレンティーノ公爵チェーザレ・ボルジアは、マキアヴェッリのもっていた考えを一変させたわけではない。マキアヴェッリがすでに、漠とはしながらもいだいていた想いに、はっきりとした形を与えてやっただけである。つまり、マキアヴェッリの想像力を、誰よりも刺激した人物なのである。二人が出会ったとき、マキアヴェッリは三十三歳、チェーザレは二十七歳だった。

わが友マキアヴェッリ 第2部マキアヴェッリは何をしたか 第9章チェーザレ・ボルジアより


 チェーザレ・ボルジアとニコロ・マキアヴェッリ。これ以上マキアヴェッリ的な君主もいないと思われる君主と、マキアヴェリズムの創始者。この二人は、たしかに三ヶ月もの間一緒にいたのだ。

…中略…


 マキアヴェッリチェーザレに、自分の夢の具象化を見出したのであろう。美男で鋼鉄製の鞭のような肉体をもち、立居振舞いは若さに似ず、威厳と気品にあふれている。愛されるとともに怖れられ、征服した領土には略奪を許さず、ときを置かずに統治の策が実施される。すべての面で従来の考えから自由であり、その一例をあげれば、傭兵制度を信用せず、国民皆兵制度の導入を実行に移しつつある。そして、決断力に富み、武将としても優れ、かつ戦略的頭脳をもち、人の思惑など気にしない貴族主義者。
 となれば、マキアヴェッリの想像力を刺激しない方がおかしかったであろう。

わが友マキアヴェッリ 第2部マキアヴェッリは何をしたか 第9章チェーザレ・ボルジアより
褒めすぎ^^;