あちこちで載っていた

 東京大学での、学生に対する読書に関する調査の結果ですけれども、なかなか興味深かったと思います。
 まずびっくりしたのは、読んでいる本の冊数が多いこと。4月から11月までに読んだ冊数は平均78.2冊なんだそうで、「えっ? 1ヵ月あたり10冊近く? 3日で1冊ってすごいやん。」と驚いてしまいました。でも、漫画とか雑誌とか、教科書までも入って78.2冊なんですね。それなら僕もこなしているかな。と思ったりしてみました。
 でも、その後の内容にはちょっと疑問が。読んだ本の比率が、漫画36.2%、教科書24.2%、小説は18.6%、教養書12.4%とのことですが、漫画1冊と小説、教養書を1冊を同列に扱うと言うのはどうもおかしいと思うんです。確かに、調査をする側にしてみれば、冊数でたずねて分析することが現実的なのでしょうけれど、漫画1冊を読むのに要する時間とエネルギーと小説や教養書1冊を読むのに要するそれらとは違う部分が大きいと思うのです。これは、種類にも依存することですけれども。例として挙げられている、「東京ウォーカー」「少年マガジン」「少年ジャンプ」と「AERA」を同じ1冊として扱うのはどうかと。だから、漫画36.2%と言われても、比率が高いのはしょうがないんじゃないかなと思ったりしました。
 また、教科書を1冊通読すると言うことはあんまりないと思うんですよね。これは僕の場合ですけれど、あちらをかじり、こちらをかじりしているので、触れている冊数はある程度あると思うのですけれど、通読した教科書なんて、どれだけあるか…。調査ではどういう扱いをしているかわからないので、この数字をそのまま扱うと言うのはコワイと思いました。
 ちなみに、毎月の書籍購入額の平均で比べたところ、教科書は6,893円、教養書は2,987円だそうです。8ヶ月で教科書への投資が50,000円近くって、ずいぶん大きいと思ったのですが…。
 ちなみに、塩野さんの作品は小説と教養書とどちらに属するのでしょうか? エッセイを読んだ場合もどうなるのでしょう? 新書が大体、教養書になるというのはわかるのですけれど。カエサルガリア戦記や内乱記は教養書になるのでしょうね。小説とは違いますし。