ローマ人の物語X巻は

「すべての道はローマに通ず」というタイトルになるようです。
最初は「えっ?」と思ったのですが、I巻は「ローマは一日にしてならず」ですし、考えてみれば、マルクス・アウレリウス帝からはじまり、そのあと紆余曲折があった後、アフリカ出身のセプティミウス・セヴェルス、カラカラ、ゲタ、マクリヌス、エラガバルス、セウェルス・アレクサンデル(また覚えなきゃ^^;)とセヴェルス朝の皇帝たちが続きますから、ピッタリのタイトルかもしれません。一通り読んでみて、納得しなおすところも多いと思うんですけどね。



「全部で十五巻を予定している『ローマ人の物語』では、第一巻から第五巻までで、ギボンのいう見事な大建築を建てるまでがあつかわれ、第六巻から第十巻まででは、この大建築の完成と維持が物語られ、第十一巻から十五巻までで、部分が揺らぎ落下し始めるところから完全に崩壊するまでが物語られる予定です。

ローマ人への20の質問 質問20 なぜローマは滅亡したのか より


との塩野さんの書いておられることを考慮に入れると、「すべての道はローマに通ず」というタイトルは、「大建築の完成と維持」を物語る最終巻にぴったりのタイトルだと思います。また、X巻が僕が上で書いたようにセヴェルス朝で終わるのならば、軍人皇帝時代に突入する直前を物語るタイトルとしても適切かもしれません。