それにしても

毎年のことなのですが、ローマ人の物語の最新刊を読むと、続きが早く読みたくなって仕方ありません^^; この1年という時間が長いんですよねぇ。そして、この1年の間に次の作品がどのようになるんだろうと色々考えてしまいます。おそらく、XII巻にもあったように、ディオクレティアヌス帝とコンスタンティヌス帝を中心とした内容になるのでしょうが、帝国の分割統治、キリスト教の迫害、公認とローマ史にとって構成に与えた影響も大きい重要な時期になることでしょう。これまでのローマ人の物語と同じように、XIII巻の内容の中心となる事柄の種がXII巻に蒔かれているのでしょうが、それがどのような花になるのか楽しみです。それと同時に、衰亡期を扱うXI巻からの5作品は、個別の作品が発表された段階で紹介を書くのではなく、XV巻まで出た段階で書く方がいいのではないかと思ったりもします。
 XI巻のラスト「魚は頭から腐る、と言われるが、ローマ帝国も、「頭」から先に腐って行くのだった。」の「頭」とはXII巻では何を指していたのでしょう。指導者という意味での「頭」、ローマ人の気質というか精神という意味での「頭」。色々考える材料になりそうですね。
 もう一つはローマの滅亡の原因としてよく取り上げられる「首都ローマの空洞化」です。これについては「空洞化」という明確な言葉が作品中にはなかったと思いますが、XIII巻以降でどのように物語られるのかも興味深く思っています。直接「空洞化」という言葉が出ていなくても、それを示唆する表現が数多く見受けられますから。