Discorsi : Niccolo Machiavelli

 ニッコロ・マキアヴェッリ 政略論(ディスコルシ) 「第三巻 17 いちどひどい目にあわせた人物を重要な職や任務につかせてはならない」まで読了。

 第3巻の6では「陰謀について」と題して多くのケースの陰謀について議論が進められています。マルコ・ダンドロが陰謀について議論した箇所と重なるのだろうなと、読み始める前から予想していたのですが、見事に正解でした^^; この陰謀に関するマキアヴェッリの考え方は興味深いと思います。



 特に大事業をしとげるにあたっては、生きている時代をよく考え、環境に合わせるようにしなければならないということである。

 選択の仕方がまずかったり、生来の性格が災いして、どうしても時代にあわせることのできない者は、生涯の大半を不幸のうちにすごさなければならないし、なにをしてもなさけない結果に終わってしまう。これに反して、時流(テンポ)に乗った人々は、することなすことなんでもうまくいくものである。

ニッコロ・マキアヴェッリ 政略論(ディスコルシ) 第三巻 8 共和政体を変革しようとする者は政体の内容を吟味しなければならない より


 時代に合わせて行き方を変えることができない理由として二つあげられるだろう。第一に、生まれ持った性格にはどうしても逆らうことはできない。第二に、いったんある方法を用いて成功した人物に対し、こんどは別の方法を採用したほうがうまくいくと信じさせるのは至難のわざである。こうして、人の運命(フォルトゥナ)がいろいろに変わってくる。時勢は刻々に移り変わるのに、人はそれに対応して行き方を変えることをしないからである。

 国家が衰亡していくばあいも同じ理由から説明されよう。

ニッコロ・マキアヴェッリ 政略論(ディスコルシ) 第三巻 9 いつも幸運に恵まれたければ時代とともに自分を変えなければならない より
この理由の説明を塩野さんは、まず「海に都の物語」でされましたし、「ローマ人の物語」の残り3巻でも物語っていかれると考えています。ということは、僕は何度か書いていますよね。