Res Gestae Populi Romani XII - TERTII SAECULI CRISIS

「迷走する帝国 - ローマ人の物語XII」第一部 ローマ帝国・三世紀前半 第一章 謀殺まで読了。
 タイトルの通り「迷走する帝国」はカラカラ帝から始まっています。カラカラ帝の治世を一通り読んでみると、「三世紀の危機」という「帝国の迷走」はカラカラ帝の諸政策に起因することが多くあると言うことを感じます。カラカラ帝が生まれ育った環境や、父のセプティミウス・セヴェルス帝が帝位についたときの経緯なども大きく関係しているのでしょうが、マルクス・アウレリウス帝以前のローマの指導者層と、コモドゥス帝以後のローマの指導者層とでは、精神的な構造に隔たりがあり、ローマらしい気質という一貫性が途切れてしまったように感じます。