Tobey Maguire - EJ Interview 1, September 2007 EJ

 今月は海外出張があったので,EJを3週間くらいでこなさないと行けなくなっています。あっ,8月は28日から31日まで出張なので,ほとんど2週間という感じでしょうか?

 EJのはじめのインタビューはスパイダーマン役のTobey Maguireがスパイダーマン3の公開に際して受けたインタビューが収録されています。スパイダーマン3では,スパイダーマンになるピーター・パーカーが道を踏み外したり,虚栄心と向かい合うというシーンが収録されていますが,このピーター・パーカーの状態と,Maguireの私生活との対比と言うことで,記者が次のように質問しています。



Given the power that Spider-Man has, he can, kind of , do anything he chooses. Being an international celebrity, you're in a similar situation yourself. How do you deal with that?

EJ Interview Tobey Maguire - English Journal September 2007 issue

 これに対するマグワイアの答えは次のようなものです。



I think that's a personal, individual thing, and it depends what you want out of life and who you want to be as a person. I like feeling good about myself as a human being so I make choices that it's really a self-correcting thing. If I make choices that make me feel bad about who I am, then I try not to repeat those things; I make choices that make me feel good about who I am. That's a positive responce. So, it's, kind of, a simple process in that way.

EJ Interview Tobey Maguire - English Journal September 2007 issue

 彼の回答は,平野啓一郎さんが葬送を執筆されていたときに書いた次のエッセイの一文と共通するところがあると思います。この平野さんの文章は,僕にとって印象に残っていて,最近ずいぶん参考になっている場面が多いと思います。



 私の場合,小説を書く際に気をつけていることは,登場人物をあまり近景で見過ぎないようにするということです。間近で見ると,明らかに矛盾している言動であっても,遠くから見るとそれが彼という人間の本質に矛盾しないということは良くあります。逆に,何かの事件が起こった時,彼がどういう反応をするかということは,近い前後の言動を参照するというよりも彼の全体像を見渡した方が上手く想像されるということがあります。
………
 私は,これを自分自身の行動規範の中にも組み入れています。自分の言動が,自分の理想とする人間像に対して矛盾してはいないかどうか? これは殊に,判断に迷うような事態に直面した時には,意外に実効性を発揮する考え方だと思います。

平野啓一郎 − 文明の憂鬱 近景と遠景 より