大正時代の身の上相談

読了しました。いやぁ,色んなネタがありますし,いろいろと考えることのできる本だったと思います。まず,悩みそのものにも時代特有のものもあれば,現在にも通じるものがあります。恋愛の話だとか,人付き合いの話だとか。ひとことで恋愛といっても,価値観が大正と今とでは違うわけで,それを念頭に入れて,読んでおかないといけないなと思って,読み進めていました。
 ほかには,マスコミのあり方ということも挙げられます。新聞の身の上相談をまとめた本なのですが,新聞も大正時代と今とでは,紙面の構成から,内容まで違いますからね。使っている言葉も変わってきています。また,マスコミの性質も変わってきていますし,読者もマスコミのやりかたを今では当時よりも把握していますから,身の上相談という読者が投稿する内容も変わってきているのだと思います。今ではこういう内容を載せないだろうなぁ…というような内容も取り上げられていますし。
 マスコミのあり方ということを考えると,大正時代と今とでの利用できるメディアの違いにも考えが向くことになります。当時は新聞に雑誌,ラジオといったところでしょうか? それに加えるとすると,まずはテレビ,このテレビはマスコミと受け取り手の関係の変化に大きく影響したと思います。それに加えて,Webがあります。このWebが利用できることによって,新聞社の記者という当時は権威のある人が回答していた身の上相談も,それほど権威のある人に聞かなくても,悩みを匿名で聞くことができるようになりました。匿名で気軽に悩みを聞くことができるようになると,相談したい悩みの内容も変わってくるわけで…。これ以上はあまり書かなくてもいいでしょうか?
 とまぁ,僕はこの作品をもとにこういったようなことを考えたという記録を。

 それはそうと,冷水浴って効くんでしょうか?^^;