Pluto

 というわけで,惑星の定義が変わって,冥王星が太陽系の惑星から外れることになったそうです。いろいろな話が出てきているようですが,教科書への書き換えなども含めて,押さえておくべきポイントは
冥王星という星がなくなったわけではない
・惑星という言葉の定義が新しくできて,定義が変わったわけではない
・太陽系に含まれている「惑星」や「矮惑星」が新たに見つかる状況にあり,今後も増えていく状況にある
と言うことかなと思います。教科書の修正も大切なことかなと思いますが,これまでの科学の長い歴史で,何度も経験をしていた,「これまでの世界観が変わる」1つの出来事かなと思っています(規模の大きさは別にして)。せっかくこういう機会にあるのですから,今中学校などで勉強をしている人は,この出来事の意味を考えてもらえればなと思います。それと,歴史上にあった科学に関する出来事を結びつけて考えると面白いと思うんですけれどもね。

 ところで,惑星の定義は,The 2006 International Astronomical Union (IAU) General Assemblyで正式に決まりました。
IAU 2006 General Assembly: Result of the IAU Resolution votesを見ていると,定義は次のように決まったようです。



The IAU members gathered at the 2006 General Assembly agreed that a "planet" is defined as a celestial body that (a) is in orbit around the Sun, (b) has sufficient mass for its self-gravity to overcome rigid body forces so that it assumes a hydrostatic equilibrium (nearly round) shape, and (c) has cleared the neighbourhood around its orbit.

 このうち,冥王星が今回引っかかったのは(c)の部分のようです。僕が漠然として持っていた「惑星」のイメージに(c)の定義は入っていたので,冥王星がcleared the neighbourhood around its orbitを有していないのが今回の話の決め手になったのでしょうね。

 ところで,日本語には惑星の順番の覚え方として「水金地火木土天海冥」というのがありますが,英語ではあるのかな? ともって,今日Buildingでたずねると,英語でもあるようです。
どうやら"My Very Excellent Mother Just Served Us Nine Pizza."と覚えるようです。こういうのを"Mnemonics"とも言うと教えて頂きました。Oxford Dictionary of Englishで調べると,

mnemonics
plural noun [usu. treated as sing.] the study and development of systems for improving and assisting the memory
と言うことらしく,これを読むと「語呂合わせ」とか「記憶術」というような意味なのかなと思いました。
BBC NewsのFarewell Pluto?にはほかのMnemonicsも載っていたので,参考にしたいなと思います。これで,どれがJupiterで,どれがSaturnで,どれがUranusかと迷わなくて済みそうです。個人的には"My Very Easy Method Just Sums Up Nine Planets"とか覚えやすいかなと思います。でも,ピザ9枚の方がイメージ湧くかなぁ。