この世の名残、夜も名残

 今週の日曜日から,また3週間の出張に出かけるということもあって,うちの相方が行きたいといっていた11月の文楽公演に行ってきました。今回の出し物は「源平布引滝」と「曽根崎心中」でした。
 曽根崎心中は実は今回が初めてでしたが,これまでにもいろんな場面で見たり,聞いたりする機会があったので,あらすじとか見るべきポイントは押さえた上で見ることができたのかなと思っています。それでも,現実に見てみるといろいろ違いはありますし,細かい部分の描写で「なるほど」と思えるところが多いですね。徳兵衛がお初の足を首に当てることで,自害の決意を伝える場面は,人形遣いの表現力はもちろん,義太夫,三味線も表現力を問われる場面だなと思ってみていました。
 最後の2人の自害の場面はダイナミックです。人形だけでできることをダイナミックに表現することは,昨年見た仮名手本忠臣蔵と同様に,文楽の特徴であるとともに魅力なんだと思います。