いつもやっていることを変えること

 晴れていて,僕が家にいれば,子供を連れて散歩に行っています。公園で遊ぶのが好きなので,最初は公園に連れて行くコースを選んでいました。それが2, 3日続くと,子供も道がわかってきたのかして,公園にまっすぐ行くコースから外れると,泣いて怒りだすようになりました。家を出て,右に曲がれば公園コースなのですが,家を出て左に行ったら,もうアウトで泣き出すという状態です。
 ただ,同じコースばかり続けていると,大人が飽きてしまうので,どうにかならないのかな? と思い,あれこれ考えていました。今日,試したのは,いつもとは逆のコースをとってみること。いつもは,家 → 公園 → ダウンタウンスターバックス → 家と言うコースなのですが,今日は,家 → スターバックスダウンタウン → 公園 → 家というコースに変えてみました。
 子供は言葉がわかりませんから,逆コースにして,散歩の最中にする内容を同じにしても,理解できなかったようです(当たり前か…)。移動の途中に,何度か泣きながら怒られました…。それでも,逆コースでも慣れていってもらわないと,いつまでたっても固定コースなので,無理矢理連れて行ったのですが…。面白いのは,スターバックスとか,公園の前に着くと,いつもと同じように行動することです。スターバックスの前に着くと,すぐにお店の中に入っていきますし,公園の前に着くと,すぐに遊具の方に向かいます。逆コースになっていると言うことはわからなくても,散歩中のポイントに対する反応は,覚えているようです。それでも,公園から家に帰るときには,ダウンタウンの方に歩き出し,「ダウンタウンにはもう行った」ということは,理解できていなかったみたいですが…。

 変化をあまりせずに,決まりきったパターンに慣れる,ということは,人間の本能に近いところの反応なのかもしれません。新しいことへの挑戦には,エネルギーが必要ですから,不必要なエネルギーを押さえるという観点からも,決まっていることには,慣れたもので対応するというのは有効かもしれません。
「安住をせずに変わり,改善していくことが重要」ということは,広く言われていることですが,変わらずに定着させるというプロセスも大切なのではないかなと,最近の子供の散歩の様子を見ていて考えます。変えないでそのままにしておく,ということにも利点はあると考えます。ただ,それを長期間続けることでの欠点が,多くの場面で見られることも事実だと思います。維持することと,変えることの両者のバランスが必要だと考えます。人間は,前者を好む傾向が強いので,後者を強調して,バランスをとるという考え方が,良くとられているのかなと考えますが。
 ただ,何かを変えて,定着する様子を見ずに変え続けるということは,エネルギーの無駄遣いのように思えるのです。効率化を目指しているようで,非効率になっていることも,多いのではないかと考えます。もっとも,何かを変えて定着させるまでに,周辺の環境が変わって,再度変えざるを得ない,という場合も良くあるとは思いますが…。