第49回 大阪国際フェスティバル 2007 アンヘル・ロメロ & 村治佳織 ギターコンサート

ということで,行ってきました。今回は2年前と同じ大阪国際フェスティバルでのコンサートだったのですが,2年前と異なり,村治さん1人ではなく,アンヘル・ロメロとの共演でした。
 アランフェス協奏曲は村治さんではなく,アンヘル・ロメロさんの演奏だったのですが,丸みのあるギターの音とテンポがスペイン風の素晴らしい演奏で,アランフェス協奏曲という作品の印象が村治さんの演奏とは違ったものになっていました。村治さんの演奏も素晴らしいのですが,年齢から来るものなのか,アンメル・ロメロさんの演奏に円熟味を感じました。村治さんはこれから何年もギターを演奏されるでしょうし,その中にアランフェス協奏曲もあるのでしょうが,どのような作品に変わっていくのか今から楽しみにしてもいいのかなと思っています。

 アランフェス協奏曲だけではなく,最後に2人で演奏されたマドリンガル協奏曲では,2人のギターの質の違いから,深みのある演奏になっていたと思います。使っているギター,奏法,作品に対する姿勢などから2人の演奏が変わってくるのでしょうね。どちらがいい,悪いではなく,こういう違いを活かして作品に仕上げていくというのは,聴いていて本当に興味深いです。また,こうゆう機会があったら,ぜひ生で聞いてみたいと思うコンサートでした。

 ちょっと気になったのは周りの客席です。演奏が始まっているのにビニールの袋からものを取り出したり,何枚も紙のページをめくるというのは…。コンサート会場,特にクラシカル音楽の会場では,みんなで音を聴く空間を作り上げなければいけないので,「自分がどういう行動をすることで,どういう音が出て,空間に影響を与えるのか?」を考えないといけないんじゃないかなと考えます。