葬送 第2部 - 平野啓一郎

 「葬送 第2部 八」まで読了しました。

 二月革命とそれに伴う政治体制の変化,ドラクロワの絵画に対する考え方,読むに従って,考えさせられることが多い作新です。これまでの平野さんの小説とは感じが違うなと思って読み進めています。読むたびに考えさせられることも多く,少しずつ進んでいるという感じです。



 ドラクロワは,何であろうと彼女の言葉を聴いてしまっては,もう二度とそれを口にすることは出来ないだろうと思い,そのまま喉の途中で血痰のように溜まっている言葉を吐き出してしまった。

「……僕という人間を生きることは,……僕には荷が重すぎるのです。……」

平野啓一郎 − 葬送 第二部 五 より