DE VITA CAESARUM - Gaius Suetonius Tranquillus

「スエトニウス - ローマ皇帝伝」第2巻 アウグストゥスまで読了。

ローマ皇帝伝 上 (岩波文庫 青 440-1)

ローマ皇帝伝 上 (岩波文庫 青 440-1)

やっぱりアウグストゥスの治世の進め方はとても慎重に進められている場面が多いですし、参考になる場面も多いと思います。さすがローマ初代皇帝の「アウグストゥス」ですね。この辺りの話はやはり面白いです。


 内乱を鎮めた後、全国民の同意の下に国政に関する一切の権限を掌中に収めていた私は、国家を私の権力から移し元老院とローマ国民の裁量に委ねた。これを私の功績とみなし、元老院は議決によりアウグストゥスの称号を私に与え、そして私の家の戸口の両側の柱を公的に月桂樹の苗木飾りで覆い隠し、市民冠を私の戸口の上に固定した。そして黄金の盾をユリウス神殿に納め、そして元老院とローマ国民がこれを私の勇気と寛恕と正義と敬虔を認めて、私に与えたことを、その盾に刻銘して証明してくれた。

 それ以後、私は威信の上ですべての人に立ち勝っても、権力の上ではどんな政務官にせよ、私の同僚であった他の人を凌駕しなかった。

神君アウグストゥスの業績録より
この文章を読む度に、アウグストゥスの素晴らしい行政手腕について考えます。