基礎からの技術者倫理 − 松木純也

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基礎からの技術者倫理―わざを生かす眼と心

基礎からの技術者倫理―わざを生かす眼と心

最近,技術者倫理について話を聞くことがありますし,技術士補の試験でも適性試験において技術者倫理が取り上げられています。最近よく聞く,コンプライアンスや企業の社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibility)とも関係があると思いましたので,現状がどのような方向にあるのか確認をするためにも読んでいます。大まかな内容は間違っていなかったと思いますが,いろいろと考える材料は多くありました。これから技術が絡む社会的な事件が起こるたびに,この本で取り上げられた内容について議論されてくる機会が増えてくるんだと思います。

 この本の中で取り上げられていた内容で納得しかねるところもあるのですが,微妙な問題なので,あまり書かないことにしておきましょう。ただ,現在の社会的な状況に応じて,自らの技術者としての仕事,位置付けなどについて,批判的に考えることが大切なのでしょう。塩野さんの言葉を借りると「なぜ? と尋ね続けるルネサンス精神」ということになるのでしょうか? 考える際の基準となることは,研究室での出来事や大学での内容,これまでの多くの基盤に加えて,多くの分野での知識や人とのつながりなどがあるのでしょうね。あとは,社会の出来事とか。