文明の憂鬱 - 平野啓一郎

 「文明の憂鬱」読了しました。
 この本に対する感想は,1/9のDiaryに書いた通りです。1つ1つのエッセイを読むたびに,考えさせられることが数多くありました。あまりいろんなことを書いていると,僕の洞察の浅さが目立ってしまうので,あれこれ書かないことにしましょう。
 ただ,同世代のそして先輩として平野さんの作品はこれからも追いかけていこうかなと思っています。参考になることがとても多いですし。

 とあるイタリア系のサイトで,平野さんの作品が話題になっていたので書き込みをしたら,「私のサイトでの掲示板に話題になったから読み始めた」と言うことでした。*ヤコさんからの新年のメールでも,平野さんの作品を読んでいると書いてありましたが,どこでお互いに影響しているかわからないものですね。「日蝕」だとルネサンス期を舞台にしていますし,イタリアも出てくるので,あそこのサイトでも構わないと思うのですが,「文明の憂鬱」では…,あっ,1つイタリアをテーマにしたエッセイがあったから,何とかあそこでもネタとして使えるでしょう^^;



 私は,これを自分自身の行動規範の中にも組み入れています。自分の言動が,自分の理想とする人間像に対して矛盾してはいないかどうか? これは殊に,判断に迷うような事態に直面した時には,意外に実効性を発揮する考え方だと思います。

平野啓一郎 − 文明の憂鬱 近景と遠景 より
この文章を読んで考えさせられることが多くありました。最近は,半年周期で周辺環境が変わっていることがあり,自分の土台を見失いかけているようなときがあったのですが,自分の行動や言動の1つの判断手段になる文章だと思います。自分がどういう人間を目指すのか,自分の目標は何なのか? それに近づくにはどうすればいいのか? それに指針を与える文章だと思います。プロフィールに座右の銘として書き加えたいと思った文章です。個人的には,ナギ姉さんの
「余計なことは言わない。時と場合を考えないと周りに多大な影響を与えるので。」
以来のとても大切な一節だと考えています。こういう宝探しをするというのも読書の楽しみの1つだと思いますが,いかがでしょう?